2016年1月から12月まで、特に筆者の印象に残っているWindows関連の話題を、その後日談を交えながら振り返ります。2016年をひと言でまとめるなら、Windows 10とWindows Server 2016に振り回された1年でした。


●1月――古いバージョンのIEのサポートが終了

マイクロソフトは2016年1月に古いバージョンの「Internet Explorer(IE)」に対するサポート提供を終了しました。2016年1月からは“製品サポート期間中のWindowsで利用可能な最新バージョンのIEのみがサポート”されるようになりました。

古いバージョンのIEのサポート終了と同じ日にWindows 8のサポートも終了し、Windows 8のIE 10はサポートされなくなりました。なお、Windows 8ユーザーは今でも「Windowsストア」からWindows 8.1(IE 11を搭載)に無料アップグレードできます。

・Windows 8、古いInternet Explorerのサポートが終了した日(本連載 第56回、2016年1月18日公開)

時期ははっきりしないのですが、2016年の中ごろから、サポートが終了した古いバージョンのIEで「サポート技術情報」(https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/番号)のページを含むmicrosoft.comの一部のページを参照しようとすると、「お使いのブラウザはサポートされていません(Your browser is out-of-date)」と表示されるようになりました(画面1)。セルフサポートで情報を必要としている人にとっては、痛い仕打ちです。

Windows Vistaの場合はIE 9(Windows Vista向けの最後のIE)に更新することで解消されますが、Windows Vistaは「2017年4月11日」に製品サポートが終了します。その後はIE 9であっても、同様の扱いに切り替わるかもしれません。

Windows XPのIE 8(Windows XP向けの最後のIE)もWindows Vistaと同様に、2016年の中ごろからサポート技術情報にアクセスできなくなりました。最近、あらためてWindows XPのIE 8から参照してみたところ、サポート技術情報はおろか、マイクロソフトのトップページにさえ接続できない状態になっていました(画面2)。ネットワークは接続されていても、DNSエラーが表示されます(実際にはセキュアチャネルのエラー(12157)が発生します)。

昨今のWebサイト側のセキュリティ強化(一部のページの常時SSL化、SSL 3.0の無効化など)が影響しているものと想像しますが、サポートが終了したOSなのでどうしようもありません。

Windows Vista以前のIEは、今後、参照できないWebサイトが増えていくでしょう。Windows XPおよびWindows VistaはTLS 1.0をサポートしていますが、TLS 1.1やTLS 1.2はサポートしていません。TLS 1.0には脆弱(ぜいじゃく)性があることが明らかになっており、すでにTLS 1.0を無効化したWebサイトが出始めています。

●2月――EMETがWindows 10に対応しましたが……

マイクロソフトの脆弱性緩和ツール「Enhanced Mitigation Experience Toolkit(EMET)」は、Windowsやアプリケーションに存在する未パッチ(未修正)の脆弱性を悪用した攻撃リスクを軽減するセキュリティツールです。

EMETを導入すると、“副作用(性能が低下する、攻撃ではないのにシステムやアプリケーションがクラッシュするなど)”に悩まされることもありますが、最新のWindowsよりもセキュリティ機能が乏しい古いWindowsのセキュリティ機能を補完してくれます。

2015年11月のWindows 10リリース時に最新であったEMET 5.2は、Windows 10をサポートしていませんでした。2016年2月にリリースされたEMET 5.5で、ようやくWindows 10に対応しました。ただし、Windows 10にはEMET由来のいくつかの機能とともに、Windows 10だけの新しいセキュリティ機能(「デバイスガード」や「資格情報ガード」など)が組み込まれているため、Windows 10でEMETは不要という意見もあります。

Windows 10はEMETに頼らずとも安全?(本連載 第58回、2016年2月17日公開)

EMETの最新バージョンは2016年11月リリースされたEMET 5.52ですが、同時にEMETの今後に関して重要な発表もありました。EMETのメジャーバージョンはEMET 5.xが最後になり、次期バージョン(EMET 6.0)は提供されません。

・Moving Beyond EMET[英語](Microsoft TechNet)

EMET 5.5xのサポートは、当初「2017年1月27日」まで提供されることになっていましたが、次期メジャーバージョンの提供がなくなったことを受けて、18カ月延長されて「2018年7月末」までになりました。それでも、2018年8月以降はWindows 7やWindows 8.1の製品サポートが終了する数年前にサポートが終了します。

EMETは定義ファイルに依存するツールではないため、サポートが終了しても機能しなくなるわけではありませんが、不具合があっても修正されることはなくなります。また、ダウンロード提供も停止されることになるのでしょう。

ちなみに、メインのPCを全てWindows 10にアップグレードした筆者はというと、EMETは使用していません。Windows 10の仕様やバグに加えて、EMETの副作用に振り回されるのは御免です。

●3月――Office 365 ProPlus、3つの更新チャネルが出そろう

Windows 10をはじめとするいくつかのマイクロソフト製品には、「更新ブランチ(Update Branch)」という考えが導入されるようになりました。Windows 10には、コンシューマー向けの「Current Branch(CB)」、CBの約4カ月後に提供されるビジネス向けの「Current Branch for Business(CBB)」、ボリュームライセンスを通じて提供される「Long Term Service Branch(LTSB)」の3種類のアップデート方式があります。

Office 365 ProPlusのWindows向け「Office 2016」には、コンシューマーやOffice 365 ProPlus以外と同じ「Current Channel」、既定の「Deferred Channel」、次のDeferred Channelの新機能を先行提供する「First Release for Deferred Channel」の3つがあります。システム管理ツールである「System Center Configuration Manager」も2015年末から、数カ月ごとに新機能が追加されるCurrent Branchと、System Center 2016に含まれるLTSBの2つがあります。

この更新ブランチという考え方は、スタートして間もない頃は、実際どうなのか分からない部分がありました。スタートしてから変更されたところや、今後、変更されるかもしれないところもあるので、現在でも更新の仕組みとして明確になっているのかと問われれば、何とも言えません。

Office 2016バージョンのOffice 365 ProPlusは、2015年9月末に正式リリースされました。当初は、更新ブランチの名称は「Current Branch(CB)」「Current Branch for Business(CBB)」「First Release for Current Branch for Business(FR CBB)」であり、2015年9月末はCBとFR CBB向けの提供開始でした。

2016年2月にCBBへの提供が開始されるのと同時期に、現在のCurrent Channel、Deferred Channel、First Release for Deferred Channelに変更されています。2016年3月には次のDeferred Channelに向けたFirst Release for Deferred Channelの提供が開始され、このとき初めて3つの更新ブランチが出そろったことになります(画面3)。

・Office 365 ProPlusの最初の分かれ道。どの道に進む、それとも戻る?(連載:その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説 第55回、2016年4月5日公開)

Office 365 ProPlusの更新ブランチや更新状況の確認、更新の手動実行は「ファイル」→「アカウント」から行えます。バージョン情報は、以前は「16.0.ビルド番号」の形式でしたが、最近は「バージョンYYMM」(2016年11月なら1611)とビルド番号で表示されるようになっています(Deferred Channelはまだ旧表記)。

更新チャネルは、以前は「現在の分岐」「ビジネスの現在の分岐」「ビジネスの現在の分岐の最初のリリース」とおかしな日本語訳でしたが、現在は「最新機能提供チャネル」「Deferred Channel」「Deferred Channelの初回リリース」のように表示されます(2016年12月9日現在)。

この辺りの表記もバージョン(ビルド)によってコロコロ変わるのが、最近のマイクロソフト的なところ。なぜ変更したのかと問えば、きっと「ユーザーのフィードバックを反映して……」と答えるでしょう。「ブランチ」「チャネル」「Deferred(遅延)」のいずれも日本人にとっては分かりにくい表現です。新しい用語として最初のものを押し通してくれた方が、Windows 10とも一貫性があってよかったのではと筆者は思います。

名称はともかく、更新ブランチという考え方は分かりにくいし、1つの企業で複数のブランチを管理しようとすると一気に複雑になります。Office 365 ProPlusを導入したなら、既定のDeferred Channelのまま利用するのが最も安定的に使えると思います。

もし、Office 2016のアプリケーションと連携するようなアドインやアプリケーションがあるなら、限定された範囲内でFirst Release for Deferred Channelで事前にテストするとよいでしょう。Current Channelは決してお勧めしません。

例えば、Current Channelでは、2016年10~11月の約1カ月間、Word 2016とOutlook 2016で日本語変換がおかしくなり(別窓が表示される)、非常に使いにくい状態になっていました。

・Word 2016 と Outlook 2016 の小さな小窓問題解消(筆者の個人ブログ)

●4月――Windows 10のトラブルシューティング、もう一度、まとめました

本連載では、Windows 10へのアップグレードやアップグレード後のトラブル事例と解決方法を何度も取り上げてきました。2016年3月までのトラブル事例は、以下の記事にまとめてあります。

・Windows 10のトラブルシューティング、まとめました(本連載 第62回、2016年3月31日公開)

その後もトラブル事例は尽きません。主に、Windows Updateを起因としたトラブル、品質更新プログラムや機能更新プログラムによる仕様変更に関わるトラブルが多かったと思います。

・Windows 10のトラブルシューティング事例――グループポリシーエディターのエラーを素早く解決する(本連載 第64回、2016年4月25日公開)
・更新プログラム「KB3159398」の適用で一部のグループポリシーが機能しなくなる問題を回避する方法(本連載 第68回、2016年6月27日公開)
・Windows 10のトラブルシューティング事例――ストアとストアアプリをポリシーで制限するには?(本連載 第69回、2016年7月12日公開)
・セーフモードでも起動できないという悪夢からの脱出、再び――Windows 10の場合(本連載 第73回、2016年9月5日公開)
・Windows Updateが進まない/完了しない/失敗するという悪夢からの脱出――Windows 10/Windows Server 2016の場合(本連載 第78回、2016年11月15日公開)

●5月――“Windows 7 SP2のようなもの”の提供

Windows Vistaは2007年1月、Windows 7は2009年7月のリリースです。これらのOSの「サービスパック(Service Pack:SP)」は、それぞれ2009年5月のWindows Vista SP2、2011年2月のWindows 7 SP1が最後です。最後のサービスパックからの期間が長いため、その後にリリースされた更新プログラムも膨大な数になっています。

トラブルシューティングのためにWindows VistaやWindows 7を新規インストールしたことがある人なら分かると思いますが、最後のサービスパック以降の全ての更新プログラムをインストールするには膨大な時間がかかるだけでなく、まず間違いなくいくつかのトラブルに遭遇します。

例えば、Windows Updateのコンポーネントが古いことが原因で更新が検出されなかったり、リソースの問題でCPUが100%に張り付き、更新の検出やダウンロード、インストールが一向に進まなかったりといったトラブルです。

Windows Updateに問題があっても新しいサービスパックがあれば解消されるのですが、Windows VistaとWindows 7はすでに延長サポートフェーズに入っており、新しいサービスパックが提供されることはありません。

Windows 7に関しては、2016年5月に良いニュースがありました。Windows 7 SP2ではありませんが、Windows 7 SP1以降の全ての更新プログラム(ただしIE 11およびIE 11関連を除く)を含むロールアップ更新プログラム「KB3125574」が提供されたのです。これにより、新規インストールから最新状態に更新するまでの時間と労力は大幅に短縮されます。以下の記事で実際にやってみました。

・ロールアップ更新プログラムでWindows 7の新規インストールが楽になる(本連載 第66回、2016年5月24日公開)

Windows Vistaに関してはロールアップ更新プログラムの提供はありません。先日、日本のWSUS(Windows Server Update Services)サポートチームのブログに、以下のような記事が投稿されました。根本的な問題解決にはならないかもしれませんが、Windows Updateで問題に遭遇したら試してみる価値はあります。

・Windows Vista にて Windows Update がなかなか終わらない事象について(Japan WSUS Support Team Blog)

実は、Windows XPでmicrosoft.comのWebサイトを参照できない問題が別のPCでも再現するのかどうかを、Windows XP Professional SP3を仮想マシン環境に新規インストールして試してみました。結果は、Windows Updateサイトから更新の確認とインストールを手動で実行することで、更新プログラムの検出がゼロになるまで何のトラブルもなく更新できました(画面4)。

Windows Updateが「コントロールパネル」に完全に統合されたWindows Vistaから、Windows Updateは爆弾を抱えてしまったように感じます。Windows 10でWindows Updateは新たに生まれ変わるチャンスを得たのですが、これまでの状況を見る限り、試行錯誤中という感が否めません。

●6月──半ば強引なWindows 10へのお誘い

マイクロソフトはWindows 10の2015年7月のリリースに向けて、Windows Updateを通じて「Get Windows 10(GWX)」アプリをWindows 7 SP1およびWindows 8.1のPCに配布して、Windows 10の無料アップグレードの予約を受け付けました。正式リリース後は、Windows Updateを通じてWindows 10のアップグレードの提供を開始しました。

GWXアプリには何度か変更が加えられ、「無効にしたはずなのによみがえった」といったゾンビ扱いや、「予約していないのにアップグレードが始まった」「勝手にアップグレードされた」「アップグレードを取り消せない」といったトラブルを起こすなど、話題に事欠きませんでした。今思えば懐かしささえ感じます。

・“勝手にWindows 10にアップグレードされる”は本当か?(本連載 第67回、2016年6月15日公開)

●7月──GWXアプリとの熱い戦いが終了

Get Windows 10(GWX)アプリは、最初から適切に対処していれば悩まされずに済んだはずでした。しかし、理由があってWindows 10にアップグレードしないことを決めた人、Windows 10にアップグレードできない人の一部は、GWXアプリとの闘いを続けていました。

その長きにわたる闘いも、Windows 10の無料アップグレード期限である「2016年7月29日」をもって終了しました。GWXアプリがその役目を終えたからです。

GWXアプリは活動を停止しましたが、GWXアプリの本体はその後もシステムに居残り続けていました。GWXアプリが完全に消えたのは、2016年9月にリリースされた更新プログラムによってでした。

・今度こそ本当にさよなら、「Windows 10を入手する」アプリ(本連載 第75回、2016年10月3日公開)

●8月──祝! Windows 10 Anniversary Updateリリース

2016年8月2日、Windows 10に対する2回目の機能更新プログラム(機能アップグレード)である「Windows 10 Anniversary Update(バージョン1607)」の提供が開始され、Windows Updateを通じて配布されました。Windows 10ユーザーであれば、Windows Updateによる配布を待たずとも、手動で更新することが可能です。

・速報! Windows 10 Anniversary Updateがやって来た!――確実にアップグレードするための3つの方法とは?(本連載 第71回、2016年8月4日公開)

2016年8月は、Current Branch(CB)向けのリリースでした。Current Branch for Business(CBB)向けのWindows 10 Anniversary Updateの提供は、2016年11月末に始まったばかりです。

Windows 10の品質を疑問視している人が多いと思いますが(筆者もその一人です……)、CBBを選択することで、より安定したビルドになってから利用を開始することができると期待できます(※しかし、実際には、12月初めにWindows 10 Anniversary UpdateのCBBへの提供直後に更新プログラムが原因で一部のPCでネットワーク接続が失われるという問題が発生しています。この問題は12月中ごろの別の更新プログラムで解消済みですが、CBBは安定版というよりも、単にスケジュールの話なのではという印象を受けます)。

ポリシー設定により、さらに導入を延期することも可能です。ちなみに、Windows 10 Anniversary UpdateのCBは「バージョン14393.0」から、CBBは「バージョン14393.447」からスタートしました。ただし、CBBは企業向けの機能であり、Windows 10 Homeエディションでは利用できません。

・Windows 10 1607 is now a Current Branch for Business(CBB)release[英語](Microsoft TechNet)

●9月──祝! Windows Server 2016完成、でもいつ完成したの?

2016年9月26日、「Windows Server 2016」が正式に発表され、Windows Server 2016評価版の提供が始まりました。最初のプレビュー版である「Windows Server Technical Preview」の提供開始が2014年10月1日、その後、Technical Preview 2~5を経て、ようやく正式リリースとなりました。

・ついに完成、Windows Server 2016評価版をインストールしてみた(連載:vNextに備えよ! 次期Windows Serverのココに注目 第59回、2016年9月30日公開)
・通常の方法でWindowsをインストールできない場合の“超抜け道的”対処方法(本連載 第77回、2016年10月28日公開)

Windows Server 2016は、開発やリリーススタイルが以前のWindows/Windows Serverとは異なるため、実は、いつ完成したのかはっきりしません。マイクロソフトの公式ドキュメント内の記述から筆者が想像したのは、RTM(製造工程向けリリース)はWindows 10 Anniversary Updateと同じ8月初めの「ビルド14393.0」で、正式リリースであるGA(General Availability)は評価版提供開始時の「ビルド14393.206(14393.0+KB3192366)」のようです。

一般提供開始は2016年10月12日からで、その時点のビルドは「14393.321(14393.0+KB3194798)」でした。それ以前に評価版以外の提供は、MSDN(Microsoft Developer Network)サブスクリプションやボリュームライセンスを含め一切なかったわけですから、「ビルド14393.321」が事実上のGAと考えてもよいかもしれません。

●10月──Windows Server 2016の一般提供が開始

ここからはつい最近の出来事です。筆者はこの時期、Windows Server 2016とSystem Center 2016に関するホワイトペーパーの制作に携わる傍ら、Windows Server 2016に関する専門書籍の執筆に没頭していました。

どちらもWindows Server 2016 Technical Preview 5をベースに書き始め、Windows Server 2016評価版が出てから急いで変更点の確認や原稿の差し替えを行いました。Windows Server 2016評価版の時点の「ビルド14393.206」と一般提供時点の「ビルド14393.321」との違いも気になったので、同じ作業を2度繰り返すことになりました。

以前のバージョンのWindows Serverは、一般公開より先行してRTM版がMSDNサブスクリプションなどで提供されたのですが、今回はそれがないため苦労しました。オンラインのドキュメントなら随時変更を加えていくことができますが、ホワイトペーパーや書籍となるとそうもいきません。

この時期の筆者の成果の1つ、ホワイトペーパーはこちらから入手できます。

・Windows Server 2016 & System Center 2016評価ガイドGA版(マイクロソフト)

●11月──Nested VirtualizationとNano Serverが手放せない

11月はWindows Server 2016の書籍の執筆も完了し、後は校正作業の繰り返しでした。Windows Server 2016のHyper-Vの新機能である「入れ子構造の仮想化(Nested Virtualization)」と「Nano Server」のおかげで、筆者の貧弱なサーバ環境でも、複数ノードのクラスタ環境を構築して機能を評価することができました(画面5)。

入れ子構造の仮想化は、Hyper-V仮想マシンのゲストOSでHyper-Vを有効化できるというもの。Hyper-Vホストを仮想マシンとして準備できるので、1台の物理サーバで複数ノードからなるHyper-Vホストクラスタを構築できます(画面6)。

筆者の物理サーバは、大容量のメモリを搭載しているわけではありませんが、ゲストOSとして通常のWindows Server 2016の代わりにNano Serverを利用すれば、少ないリソースでHyper-Vのクラスタを構築できます。また、クラスタのノードをNano Serverにすることも可能です。

●12月──Windows 10のWindows Updateが怖い

2016年前半はGWXアプリの話題で持ち切りでしたが、その後はWindows 10でもWindows Updateのトラブルの話題が多くなってきたように感じます。Windows 10のWindows UpdateはWindows 8.1以前から大きく変更され、ユーザーがコントロールできる部分が少なくなってしまいました。

Windows 10 Anniversary Updateからは、Windows Updateの詳細オプションにあった「自動更新」と「再起動の日時を指定する」が廃止され、既定では自動更新が有効、アクティブ時間外(既定は8:00~17:00)に半ば強制的に再起動するような動作仕様に変更されました。

Windows Server 2016のWindows Updateも同じ仕様です(Server Coreインストールは除く)。企業向けエディションであれば、ポリシー設定でコントロールできる部分もありますが、Windows 10 Homeエディションについては自動更新に任せる以外の選択肢が提供されない状態です。

一方、定例更新(日本は第2火曜日の翌日)だけでなく、不定期に更新がやってくる上、たびたびトラブルが報告されています。

例えば、「ダウンロードが途中で止まっているように見える」「勝手に再起動が始まり、未保存のデータがなくなった」「数時間かかってやっと準備が完了したのに、再起動中に“変更を元に戻しています”となって失敗する」「“コンピュータの電源を切らないでください”のまま数時間経過する」「≪Windows Update後にネットワークが接続できなくなった」「Windows Update中にネットが遅くなる」「Windows Update後にPCの動作が重くなる」といったトラブルです(画面7)。

ダウンロードに時間がかかるのは、更新ファイルサイズが巨大だからというわけではありません。以下の記事で検証したように、日常的に更新していれば、差分データのみがダウンロードされるため、実際のダウンロードサイズはそんなに大きくはありません。時間がかかるのは、別のところに問題があるのです。特に「ダウンロードが進まない(ように見える)」問題はWindows 10 Anniversary Update以降で気になるようになりました。

・Windows 10の「累積的な更新プログラム」の本当のダウンロードサイズは?(連載:その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説 第71回、2016年11月22日公開)

前述したように、Windows 7やWindows Vistaはリリース後の長い時間経過によるWindows Updateの爆弾を抱えた状態です。Windows 10は、累積的な更新と機能更新の組み合わせにより、リリースからの時間経過に起因する爆弾は取り除かれましたが、Windows 10では全く別の新たな問題を抱えているような気がします。

Windows 10のWindows Updateの仕様が機能更新(機能アップグレード)のたびに変更が加えられているのは、新たな問題を何とかしようという試行錯誤のように思えてなりません。