今回は、この休暇時期に出てきた小ネタをまとめて紹介したい。

●2016年末のBuild 14997に新たな変更点

おさらいすると、2016年末の記事では以下の4つのポイントを紹介した。

・Build 14986がFast RingおよびSlow Ring向けの最新ビルド
・一部のInsiderに配信されたBuild 14993はWindows 10 IoT Core向け
・配信前のBuild 14997という内部ビルドが外部に流出
・Microsoft社内で配信した最新ビルド(Canary)はBuild 15000.1000

その時点では「Build 14997はマイナーチェンジで大きな変更点はない」としていたが、その後の調査では幾つかの新しいトピックが含まれているようだ。

Windowsの最新動向を投稿することで知られるWalkingCatというTwitterアカウントが、Build 14997における「Game Mode」の存在を示唆している。

Build 14997では「gamemode.dll」という新しいファイルが出現しており、これがWindows 10でのゲームプレイ時にCPUなどのリソースを最優先で割り当て、OS全体の動作を最適化するものだという。

順当にいけば、2017年春にも一般向けの配信が始まるWindows 10の次期大型アップデート「Creators Update」に、このGame Modeが追加される見込みだ。

このGame Modeの狙いについて、米Windows Centralは「多くのWindows 10搭載PCでXbox Oneやそれに続くProject Scorpioのゲーム体験を楽しめるようにすること」にあると指摘している。Project Scorpioは2016年のE3でMicrosoftが発表した性能強化版のXbox Oneで、2017年の年末商戦時期に向けて投入する見込みだ。

Windows 10 for PC、Xbox One、Project Scorpioなどのプラットフォームを横断してUWP(Universal Windows Platform)ベースの共通したゲームアプリを開発できるようにする仕組みは「Project Helix」と呼ばれ、「(全てのプラットフォームで共通の)1つのWindows」を掲げるMicrosoftを象徴するプロジェクトの1つと言える。

ただし、ゲームに最適化されたコンソールのXbox Oneに比べて、PCの性能はハイエンドからローエンドまでバラバラであり、これを少しでも高度なゲームの利用に最適化された形にすり合わせていこう、というのがGame Modeの存在理由と推察されている。

「ゲームとWindows 10」というくくりでは、もう1つ興味深いデータがある。ゲーム配信プラットフォームの「Steam」はサービスに接続するユーザーのハードウェア利用状況を逐次レポートしているが、これによれば2016年12月時点での利用OSシェアは50%超がWindows 10で、3割強のWindows 7を引き離しているのだ。

2016年末の振り返り記事で「Windows 10のデスクトップOSシェアは25%弱」「多くはコンシューマーに偏っている」ということを指摘したが、比較的ヘビーなWindowsユーザーと思われるゲーマー層ではWindows 10のシェアの高さが際立っている。

今回のGame Modeの登場は、こうしたWindows 10ユーザーのほか、いまだ大きな勢力として存在するWindows 7ユーザーに対して、UWPゲームのよさをあらためて訴えることが狙いと考えられる。

●フリーズ時のブルースクリーンが廃止される?

最近、ハードウェアのトラブルに見舞われやすい自作PCに触れる機会がほとんどないせいか、個人的にほとんど遭遇することのなくなった「ブルースクリーン(Blue Screen of Death:BSoD)」だが、これが間もなくWindows 10で廃止されるというウワサがある。

とはいっても、ハードウェアのトラブルでPCがフリーズする現象自体がなくなるわけではなく、青い画面が「緑色の画面(Green Screen of Death:GSoD)」に変わるだけなのだが……。

Windows Centralは、Build 14997を使ったユーザーがBSoDではなくGSoDが出ている様子をTwitterに投稿したと報告している。これについては、当該のユーザーが写真を投稿する数日前に、米MicorosftのシニアプログラムマネージャーであるMatthijs Hoekstra氏がBSoDの背景色変更をほのめかしていた。恐らく次の更新タイミングでFast Ringのユーザーに配信されるInsider Previewでは、GSoDに変更されていることだろう。

Game Modeも含め、このようにBuild 14997では幾つかのアップデートが含まれていることが確認できたが、Fast Ringユーザーへ1月9日週以降に配信されるInsider Previewは「もう少し新しいビルド番号」なると予想している。前回の配信から1カ月近く間隔が空くことになるが、正式に配信が開始された段階であらためて検証したい。

●「Belize」という謎のサービスが間もなくスタートか

なお、Build 14997以前から既に組み込まれていた機能のようだが、Microsoftはクロスプラットフォーム環境で写真や動画を共有して楽しむサービス「Belize(ベリーズ)」を準備しているとみられる。

Microsoftのサービス専門ブログメディアである米MSPoweruseは、Windows 10標準搭載の「Photos」アプリのファイルを解析したユーザーからの指摘で、「Belize」と書かれた複数の痕跡を発見したことを報告した。

内部にはAndroid、iOS、UWPの3種類のプラットフォームに対応したQRコードの画像ファイルが含まれており、これらをターゲットにプラットフォームを横断してサービスが利用できるとみられる。このQRコード自体はMicrosoftが最近買収したHockeyAppというアプリ解析プラットフォームで使用されるもので、直接読み込んでも意味がないが、サービス内容の推測には大きな意味を持つ。

現時点ではPhotosアプリの一部に組み込まれているようだが、将来的にはUWPアプリとして独立した形でWindowsプラットフォームに提供されると考えられる。

ちなみにBelizeとは中米にある国の名称だが、現地のトロピカルなバカンスの雰囲気を思い出に……ということで写真共有サービスの名称に採用されたのかは不明だ。Microsoftの写真共有サービスは既に撤退したものを含め、さまざまな形で10年以上にわたって存在し続けており、今回はその最新ステップとなる。

この分野での動きが最近になり活発化していることを最初に報じたのは、米ZDNetのメアリー・ジョー・フォリー氏だ。Microsoft ResearchやOneDriveチームと連携する形で、同社の「Evoke Studio」がこの種の共有型サービスを開発するために人員を募集していることが2016年前半ごろに明らかになった。

このサービスの特徴は、単に写真や動画をクラウド上にアップロードして共有するのではなく、機械学習などを組み合わせて大量のデータを一括処理して最適な形に再構成する点にある。「自動化」が主眼に置かれている点が興味深い。

振り返ること2015年、MicrosoftがOneDriveストレージ容量の削減を行った際に「このままではユーザーにそっぽを向かれる」ということを指摘したが、もし仮に優れたユニークなサービスを提供できれば、ユーザーの心証は変わるだろうか。

筆者は既に、OneDriveを原稿やOffice文書の共有など軽めのファイルのデバイス間共有でしか使っていないが、魅力あるサービスをあらためて提案してくれるのであれば歓迎したい。