Windows 10の大型アップデート「Windows 10 Fall Creators Update」が10月17日より提供開始される。今春行われた「Creators Update」に続く大型アップデートで、Windows 10ユーザーは無償でアップデートできる。

Windows 10は、大型アップデートで進化を続けていくというコンセプトのOSだ。2015年7月末にリリースされたあと同年11月に最初の大型アップデート「November Update」、2016年8月に「Anniversary Update」、今年4月に「Creators Update」が行われた。今回の「Fall Creators Update」はそれに続く4回目の大型アップデートになる。当初、アップデートは不定期だったが、現在では3月と9月(春と秋)の年2回行うのが基本方針になっている。

Fall Creators Updateはさまざまな改善、不具合の修正、機能追加が含まれているが、見た目はこれまであまり変わっていない。一番の注目ポイントは「Windows Mixed Reality」(Windows複合現実、以下Windows MR)への対応だ。

Windowsも「複合現実」へ

アップデートの目玉は「Windows Mixed Reality」(Windows複合現実、以下Windows MR)への対応だ。

ここで言うMixed Reality(MR)とは、VR(仮想現実、Virtual Reality)とAR(拡張現実、Augmented Reality)を合わせたもの。具体的には、ゴーグル型の対応ヘッドセットを装着して、VRコンテンツのような没入感のある対応コンテンツを楽しめる機能だ。

現在、HTC VIVEなどのVRを楽しむためのヘッドセットが発売されているが高価で、対応PCも高いスペックのものが求められるため、なかなか手を出しにくい状況だ。Windows MRでは、それに近いことがWindowsパソコンと対応ヘッドセットで比較的安価かつ手軽に楽しめるというのが売りだ。

マイクロソフトはHoloLens(ホロレンズ)というMRヘッドセットを法人向けに展開しており、Windows MRはその技術を応用している。しかしホロレンズとは、さまざまな違いがある。

ホロレンズは単体で動作するデバイスで、素通しで現実の風景が見えるレンズの上にホログラムを投影して重ねて表示する。一方、Windows MR対応ヘッドセットはPCに接続して使うデバイスで、単体では動作しない。また外の風景は見えず、ヘッドセット内のディスプレーにグラフィックスを表示する。そのため使用感は、VR用ヘッドセットとほぼ同じだ。

Windows MR対応ヘッドセットとコントローラーは、エイサー、デル、HP、レノボ、ASUSなどから、Fall Creators Updateが提供開始となる10月17日以降に発売される予定だ。マイクロソフトではヘッドセットの価格を299ドルからとしている。日本での実売価格は、コントローラーとセットのもので5万~6万円程度になりそうだ。

性能が一定以上のパソコンが必要
Windows MRを使うには、ある程度スペックの高い対応PCが必要になる。自分のパソコンが対応しているかどうかは、スタートメニューから起動できる「Mixed Realityポータル」で確認できる。8GB以上のメモリー、10GB以上のHDDの空き容量が必要なほか、CPUやグラフィックス性能も一定以上のものが要求される。

現在公開されているPCの要件を見ると、HTC VIVEなどのVR用ヘッドマウントディスプレーの動作要件ほど高くないが、この機能が目当てなら最新PCへの買い替えや、デスクトップ型パソコンならグラフィックスカードの追加などが必要になるだろう。年末商戦では、Windows MR対応パソコンと対応ヘッドセットが店頭に並ぶことになりそうだ。

肝心のコンテンツは、Windowsストアで提供される2万以上のアプリが対応し、ゲーム、映画などの動画のほか、仕事を効率化できるアプリや、Skypeなどのコミュニケーションアプリ、教育用アプリなどが利用できるという。また、ゲーム配信プラットフォーム「Steam」がWindows MRに対応し、対応ゲームを配信する。

しかしコンテンツで重要なのは数ではなく、日本人好みのコンテンツがどれだけ登場するか、日本語でどんなコンテンツが楽しめるかだ。今後の情報に注目したい。

●その他の変更点は?

その他の目につく変更点を見ていこう。Windowsの設定項目はアップデートのたびに「設定」に集約されてきている。今回のアップデートで、「設定」の項目に「コルタナ」と「電話」が加わった。「コルタナ」はタスクバーの検索ボックスから起動できる音声入力対応のアシスタント機能のことだが、その設定がここでできるようになった。

Webブラウザー「エッジ」の機能もじわじわと増えている。手書き機能「Windows Ink」を使い、PDFファイルに手書き入力できるようになった。例えば、Webメールで届いたPDFファイルを開いて、手書きで入力して返送するといったことができる。

Windows 10
Fall Creators Updateは、9月初頭の段階ではまたデスクトップ右下のバージョン表記(ウォーターマーク)が取れておらず、製品段階には至っていない。しかしアップデートはすでにバグフィックスがほとんどになっていて、ほぼこの形で10月17日より配信されると思われる。配信方法はCreators Updateのときと同じく、段階的に数カ月かけて全ユーザーに行き渡るように配信されるようだ。