10月17日から日本を含む全世界で順次、2017年で2度目となるWindows 10の大型アップデート「Windows 10 Fall Creators Update」がリリースされる。今回は、これまでInsider Previewで一足早く導入されてきた、Fall Creators Updateの新機能や改善点、削除された機能などをまとめて紹介する。

※動作確認と画面キャプチャーはWindows 10 Insider Previewで作業しています。

Fluent Designがスタートメニューに導入された
マイクロソフトの新デザインシステム「Fluent Design」は「Build 2017」で発表された。Windows 8ではMetroデザインが採用されたが、タッチに特化したデザインで不評だった。「Fluent Design」はクロスプラットフォームに対応しつつ、インタラクティブに使えるようになっている。もちろん、3Dにも対応する。イメージはマイクロソフトがYouTubeに投稿した動画「Microsoft Fluent Design System」で確認できる。

まだ本格的に導入されているわけではないが、Fall Creators Updateではまずスタートメニューに導入される。アプリ名にマウスポインタを乗せると強調表示になるのは前と同じだが、ポインタに光がフォーカスされている。そして、ポインタを動かすと、光が当たっている部分も動くのだ。また、細かい部分のみの対応だが、今後はWindows 10のシステムからアプリにまで採用されていくことだろう。

Edgeブラウザーの機能が大幅に強化された
Windows 10の標準ブラウザーであるEdgeの機能が強化された。Chromeなどほかのライバルブラウザーではすでに搭載済みの機能も多いが、できることが増えるのは歓迎だ。

EPUBを表示したり検索できるようになったので、電子書籍の閲覧にも利用できる。もちろん、目次は利用できるし、音声読み上げも可能。お気に入りは階層化できるようになったうえ、ブックマークの編集もその場で行えるように。任意のウェブページをタスクバーにピン留めしたり、PDFのフォームには直接入力できるのも便利。F11キーで全画面表示したり、複数のタブをまとめてお気に入りに追加するなど、基本操作もブラッシュアップされている。

また、IEやChromeからは、ブックマークだけでなく、閲覧の履歴やクッキー、パスワード、設定なども引き継げるようになったので、乗り換えも簡単だ。

OneDriveのファイルオンデマンド機能で容量を節約
Windows 10の標準クラウドストレージサービス「OneDrive」に、ファイルオンデマンド機能が追加された。ファイル情報は常に同期するが、ファイル本体は必要になるまでダウンロードしないようにする機能だ。ストレージ容量が少ないノートPCなどで便利に使える。

通常は、アイコンにクラウドのマークが付いており、ダウンロードすると白地に緑のチェックマークが付く。右クリックメニューから「このデバイス上で常に保持する」を選んでおけば、強制的に端末内に保持するようになり、アイコンのマークは緑地に白のチェックとなる。

「設定」がブラッシュアップし、2項目が追加
設定がさらに使いやすくなり、コントロールパネルの出番が減っている。まず、大項目に「電話」と「Cortana」が追加されている。コルタナの設定はこれまでコルタナの設定ボタンから開いていたので、面倒だしわかりにくかったが、これですっきりした。

機能の項目も増えている。例えば、「デバイスの検索」には「ペンが見つからない」という項目が追加され、「追跡はこちらから」をクリックするとブラウザで場所を確認できる。ペンを最後に使った場所を記録し、地図表示してくれるのだ。そのほか、見にくかったバージョン情報などもブラッシュアップされている。

スマートフォンと連携する「電話」機能を搭載
「設定」に新しく追加された「電話」では、iPhoneやAndroid端末を連携できる。スマホに「Continue on PC」アプリをインストールすると、共有メニューからウェブページを飛ばせるようになる。すると、強制的にPCのブラウザーが起動し、ウェブページの続きを閲覧できる。

正直今は、単発の項目にするほどの機能ではないのだが、Windows 10 Mobileが失速した今、iPhoneやAndroidとの連携を強化していくつもりなのかもしれない。

コルタナの使い勝手が向上している
コルタナの設定画面が「設定」にまとめられたのは前述の通り。そのほかには、「何分後にアラームして」のように話しかけると、指定時間に通知してくれるようになった。出かける準備をする時間などを忘れたくないときに利用できる。

そのほか、検索結果をブラウザーではなく、コルタナの表示エリア内で確認することもできるようになった。ウェブ閲覧には向かないが、天気や交通といった簡単な情報チェックであれば活用できそうだ。

Windows Defenderにランサムウェア対策機能が搭載された
ランサムウェアは、被害者のPCをまるごと暗号化し、復号キーが欲しければお金を払うように求めるマルウェアだ。2013年頃から流行はじめ、今でも時々広まることがある。

このウィルスに感染すると、対策していない限り全データが失われる。個人用PCでも、デジカメ写真やメールデータ、仕事で使っているファイルなど、失ったら困るものも多いはずだ。

「Windows 10 Fall Creators Update」では、セキュリティセンターに「コントロールされたフォルダーアクセス」という機能が追加された。この機能をオンにすれば指定したフォルダーは常時監視され、許可していないアプリから変更しようとするとブロックしてくれるようになる。

写真や動画から超絶手軽に良い感じのムービーを作成できる
「フォト」アプリに「Windows Story Remix」という機能が搭載された。「Windows ムービー メーカー」の強化版のような位置づけで、撮影した写真や動画を指定するだけで、自動的にBGMに合わせて配置したり動かしたりしてムービーを作成してくれる。切り替えのタイミングやタイトルの入り方など、何もしていないのに良い感じの作品になっているのがすごい。気に入らなければ「自動リミックス」をタップするだけで、再構築してくれる。よく写真を撮るユーザーであれば、ぜひ活用して欲しい機能だ。

見やすいUDデジタル教科書体のフォントが採用された
Windows 10で利用できる新しいフォントが追加された。タイプバンクがデザインした「UD デジタル教科書体」は、学習指導要領に基づいた字体や字形を再現しているのが特徴。点やハライの形状が正確で、例えばひらがなの「や」の短い縦棒が貫通していないところまで再現している。この手の書体は、楷書だと読みにくくなりそうだが、「UD デジタル教科書体」は線の太さの強弱を抑えて読みやすくしている。ひとつのウェイトごとに、N(等幅)とNP(P付き)、NK(K付き)の3種類のフォントを用意している。

知人とのコミュニケーションが楽になる「My People」
連絡先を管理できる「People」アプリも強化された。「My People」機能では、任意の相手をタスクバーにピン留めできる。クリックすることで即コミュニケーションを開始できるのが楽だ。また、ピン留めした相手からSkypeで絵文字が届くと、タスクバーの上にダイレクトに表示されるようになる。

3D BuilderやOutlook Expressなどが削除される
マイクロソフトは「Windows 10 Fall Creators Update」以降、削除される機能と推奨しない機能の一覧を公開している。例えば、「3D Builder app」や「Enhanced Mitigation Experience Toolkit (EMET)」「Outlook Express」などが削除される。非推奨になる機能には、「IIS 6 Management Compatibility」や「Windows PowerShell 2.0」などに加えて、「Microsoft Paint」もある。初期のWindowsから搭載されてきた「ペイント」だが、ようやくお役御免というところか。

削除される機能

3D Builder app
Apndatabase.xml
Enhanced Mitigation Experience Toolkit (EMET)
Outlook Express
Reader app
Reading List
Resilient File System (ReFS)
Screen saver functionality in Themes
Syskey.exe
TCP Offload Engine
Tile Data Layer
Trusted Platform Module (TPM) Owner Password Management

非推奨になる機能

IIS 6 Management Compatibility
IIS Digest Authentication
Microsoft Paint
RSA/AES Encryption for IIS
Sync your settings
System Image Backup (SIB) Solution
TLS RC4 Ciphers
Trusted Platform Module (TPM): TPM.msc and TPM Remote Management
Trusted Platform Module (TPM) Remote Management
Windows Hello for Business deployment that uses System Center Configuration Manager
Windows PowerShell 2.0

以上が、Windows 10 Fall Creators Updateで変わるポイントとなる。ほかにも細かい変更点がたくさんあるので、それぞれ本連載で突っ込んで紹介していく予定だ。

 

 

 

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